2013年

12月

15日

原因のはなし

 

我が子が思うように育たない、発達が遅れているかもしれない。

もしかすると障がいなのかもしれない。

いろいろ悩んで医師に診断を仰ぐ。
そして、
「そのような傾向にある。」「障がいがある。」と言われ時、

「やっぱり、そうなんだ。」
「はっきりと分かって、少しスッキリした。」と同時に

「どうして?うちの子が、なんで?私のせい?」と原因を探し、
自分を責めてしまう母親は少なくないと思う。

私もそんな一人だった。

妊娠中、貧血でおなかを下にして倒れたあの時の影響かもしれない。
初期に薬を飲んだせいかもしれない。
今までの生き方がいけなかったのか? 
悪いことをした罰か?
人を悲しませた報いか? 

考えていた。

 

しばらくして、
ママ友達の赤ちゃんに“てんかん”があることがわかったという。
成長するにつれ発達障害の症状が出てくる可能性があった。
そのお母さんも「どうして?」と悩み、「原因は?」と、医師に聞いた。

すると、先生から「原因は、ないですよ。」

原因はわからないのではなく、原因など無いということだった。

その話を聞いた私は、母親を責めることのない答えに、優しさを感じ、自分のことも納得した。

 

妊娠中、おなかの中の赤ちゃんを痛めようとは、決して思わなかったはず。生まれてくることを楽しみにしてその日を待った。
一生懸命に産んだ。かわいがった。それなりに精一杯の愛情を込めた。
誰もがそうだと思う。
不安もあるが、これからも我が子として育てていく覚悟はある。
それで充分だ。
うまくいかない時もある。思った通りにいかないことの方が多い。
けれど、私以上にこの子を愛せる者は他に存在しないだろう。
だから、何も恥じることはない。
堂々と親子ともに生きよう。私はそう思う事にした。

 

医師の言葉は、なっこの存在を肯定してくれた感じがする。

 

『このままでいいんだ。なっこはなっこらしく生きれば』 
そう思わせてくれた。(2010・11月)

 

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